【15日目】知識があれば世界が変わる。12000円の懐石はやっぱり高い?

先週の金曜日、授業後にお誘いをいただき、クラスメイト4人で一食12000円の懐石のコースを食べに行きました。

こんにちは、おいしいものが好きなわりには今まで食べ物にはこだわらずに生きてきたnao@suiheilineです。お昼が毎日コンビニのパンでもへっちゃらです。

私が懐石のコースを食べに行ったのは人生で二度目。しかもその時は招待券があったので、自分で支払いをするのは今回が初めてです。そんな私が、懐石料理の価値を理解することができるのでしょうか?

12000円はやっぱり高すぎる?

私はこう思いました。むしろ安いんじゃないの??

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最後はお茶のサービス。

そのおもてなし

まずお店に入ると三人の店員さんが迎えてくれ、傘とコート、大きな荷物などを預かってくれました。ここに三人の手を割いてくれるのは行き届いてますよね。それだけ手早く済みます。

席に着いたら、苦手な食材を尋ねられます。アレルギーでなく、ただ苦手という理由で変更していただけるようです。ひとりは実際に「あれは好きじゃないんです」と変更を頼んでいました。

これは初めての体験。わざわざそんなことにも気を使ってくれるのかとちょっと感動しました。さすが銀座の懐石です。

ただ、その場では思いつかないし、何を使っているのかもわからないので、ぱっと駄目なものが思いつく人にしか利用できないかもしれません。私は獅子唐が苦手なのですが、思いつかなかったな…残しちゃった。

目には美しく、そして機能的

肝心のお料理ですが…盛りつけの美しさに感動しました。普段は食事中に写真を撮るのってあまり好きではないのですが、「勉強だし」と言い訳しながら何枚も撮ってしまいました。

前菜の盛り合わせも、色合いも良いし、空間をうまく使って大変上品な見た目になっています。プロの料理の盛りつけだなーと感じました。

真ん中あたりに出てきた白味噌のグラタンは、ゆずの中身をくりぬいた外側を器にして盛り付けられています(で、最後にオーブンで焼き上げているのかな?)。

口に入れた時にふわっと爽やかなゆずの香りがしました。こういった盛り付け方というのはそれだけで目を引きますし、ゆずの香りを強く感じさせるにもとてもいいです。

果物や野菜の皮を器にしているのはたまに見ますが、ただの盛りつけというだけでなく、そういう機能もあったんですね。これほど効果を感じたのははじめてでした。

カウンター席の面白さ

今回は4人で行ったにもかかわらず、全員横並びのカウンター席を予約しました。オープンキッチンで中を覗けるためです。正解でした。面白かった…

カウンターのすぐ内側では、(おそらく)選ばれし料理人が魚をさばいて、刺身の切りつけをして…と迷いの一切ない手つきで仕事をしています。

4人して食べるのを忘れて立派なクエが鍋物の具になるのを最初から最後まで眺めてしまいました。1メートルほどの至近距離で手元を凝視され(しかも無言)、さぞかし仕事をしにくかったでしょう。

✳︎注:後でオープンキッチンのお店で働いているクラスメイトに聞いてみたところ、見られるのはすぐに慣れるそうです。私は百貨店で働いている時、手元をじっくり見られるのは苦手だったけど、ちゃんとした職人さんて違うのかなあ…集中力が違うということ?

素晴らしいパフォーマンスです。正確に迷いなく、本当に華麗でした。むしろ魚を触っていない時の方が動きに迷いが見られて、そういうところでは、人間らしくて親近感が持てたかも。

私があの領域に至るには5年くらい必要かもしれない。いや、無理かな…

オープンキッチンのお店にあまり行ったことがなかったのですが、今回は面白さを心から感じました。私が食べたあのお刺身は、きっと彼があの手さばきで切りつけてくれたものだったのでしょう。

食べるものの向こうに作ってくれた人の顔が見えて、なんだか嬉しいですね。手から直接お客さんの元に渡る商品っていいな。やっぱり憧れます。

知識があれば、見えるものも変わってくる

多少なりとも料理の勉強をしているから、今までのようにただ食べておいしーい!見てきれい!という気持ちだけではありませんでした。

盛り付けも、この配置はこうだからいいなあとか、お皿の色が料理を引き立てているんだなあとか。作業を眺めていても、クエは頭を落とすとかなり小さくなってコストがかかりそうだなあとか、大きすぎるイカはこう捌くのか、飾包丁はこう入れていいのか、ふーん…などなど。

気がつくことは山ほどありました。目で盗むってこういうことか。

まあ、大半は「私だったらここまでに3回は指を切ってる」「いや、4回だ」「いやむしろ手のひらをそぎ落としてる」なんてくだらない話をしていたわけですが。(クエは深海魚で骨と皮が厚いので、力を入れて包丁を使っていました)

この全てが、今までだったら気づいていないことだと思います。いいな、と思っても何がいいのか、なんでそう思えるのかを考えることなんてなかった。

ある程度の知識を持っておくのは必要だと感じました。それでこそ、受け止めた良いものを、もっともっと楽しむことができる。知識があれば、いままでとは違ったものが見えてくるみたいです。

いいものをつくるために

入学して二日目、野菜の飾り切りで、蛇腹切りをした時のことです。

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聞きなれない言葉だけど、これのこと↑

あまり見たことのない切り方ですが、料亭なんかのおひたしなんかで使われると教えてもらいました。そんなお店行かないですねーと呑気に発言したところ、ピシャリと一言「行ってください!」と。

いいものを作りたいなら、いいものをたくさん見なきゃいけないんですと。

きっとこういうことだったんだなあ。今の私にとって、いいものを食べることは、ただ一時の楽しみで終わるものではなくなったのです。こういう経験から得られた学びは、きっとずっと生きていくのでしょう。

特にあのオープンキッチンでの仕事は、本当に華麗で素晴らしかった。心から尊敬の念を抱きました。

でも、彼のやっていることも、決して知らないことではないんです。もちろん彼はかなり高いレベルではあるんだけど、私たちが日々学んでいる基礎も、あのような美しい仕事につながっている。これを高めていけば、あんな風になれる日が来るのかもしれない(もちろん、無理かもしれない)。

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いままでで一番うまくできた鯵の三枚下ろし(中骨)。これもいつかに繋がっている?

12000円という価格は、庶民(しかも現在無職)にはとても安いと言える金額ではありません。

ですが、遠すぎず近すぎずのサービスや、目にも美しい料理、オープンキッチンでのパフォーマンス、そして得られたものを考えると、決して高すぎるものではなかったと思います。

むしろ、こんな金額でこれほどの体験ができるのかーという気持ちです。

そういう点からいくと、十分に行った価値は感じられました。もっと色々なお店に行ってみたくなりましたね。

ごちそうさまでした。ここ数年で一番楽しめた食事でした!

《行ってきたお店》

懐石といえば懐石ですが、創作和食というジャンルが適切かもしれません。おしゃれで本当においしかったです。上品ながら品数が多く、ボリューム的にも満足出来るお店でした。

お店も、落ち着いた雰囲気ではあるけれど適度にざわざわしていて、リラックスして食事を楽しむことができました。

もう少しお手頃価格なランチもやっているそうなので、ぜひまた行ってみたいと思います。

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